最近のオタクの半分はネタでできてると思うんだ


結構前から言われてるかもしれないけど、最近のオタクカルチャーの趣向というか指向性って、完全に「萌え」から「ネタ」に移った感じがする。といっても「萌え」が完全にいらなくなったってわけではなく、最低限の「萌え」要素とかシチュエーションがあって、そこからネタ的に転がしたりメタ視点からネタにしたりする物が増えたっつーか、話題にあがるのはそんなのばっかっという感じ。
もちろん未だに直球の「萌え」重視の作品もあるし、それが一定の支持を得ているけど、かつてほどの勢いは間違いなくないし作品数も少なくなったと思う。

ネタの祭典ニコニコ動画

まぁ、そうしたネタ重視の流れが一番わかりやすいのがニコニコ動画のような場所だけど、*1ニコニコ動画の見所というか特徴の一つに、コメントによる弾幕があるんだが、ニコニコで見れるor見れたアニメ本編やMADなどに着く弾幕の多くがその作品におけるネタキャラや、またはニコニコ動画を見ている人間がネタキャラと認識しているキャラに対して弾幕が貼られたりコメントが集まる性質があるように思える。例えばわかりやすい所でいえば、ハルヒにおける谷口、ゼロ魔のギーシュ、コードギアスのオレンジ、ひぐらしの富竹とか、他にもなのはstsのザフィーラやらレッツ&ゴーのハマーDとか、挙げだしたら切がないんだが、とにかく単純にキャラの登場だけで弾幕や、コメントがあつまるのはネタキャラやネタキャラとして扱われているキャラに対してが多く、弾幕自体も様々な状況で着くのだが、やはりネタ的な要素や場面で着く事が多い。
さらに言えばアニメ本編やMAD以外の多くの動画においても人気を得やすい、またはランキングに上がりやすいのは、ネタ性を多く含んだ動画である。


鏡音リンが発売直後にいきなりやさぐれている件 - 敷居の部屋
まぁ、そんなネタが尊ばれるニコニコ動画なんだから、↑のようになるのは当然というか必然というか・・・だってタマネギやミカンなんかよりも、圧倒的にロードローラの方がネタとしての強度というかインパクトがあるもの。
そもそも、初音ミクの方のネギにしたって、「はちゅねミク」っつーネタ要素の強いSDキャラからきてるしね。*2

求められているのは「正しさ」や物語ではなく、コミュニケーションツール

ニコニコ動画鏡音リンロードローラーネタに限らず、最近のオタクカルチャーは漫画にしろ、エロゲーにしろアニメにしろネタ性が強くなったのは、やはりコンテンツの消費の仕方や情報や話題の広がり方が変化したからなんだろうなぁ。
なんて言うか、かつてのオタク系のコンテンツは一品料理で、ひとりでモソモソと食べ吟味する物って感じだけど、最近の人気作や話題作は皆でわいわい調理*3し、そして食べる鍋料理みたいな物って感じ。
鍋料理なんで、大雑把な味だったり平均的な味であっても、余り問題ではなく、むしろいかにコミュニケーションをとり、皆で楽しむかが主眼になる。だから話題になりやすいようネタ性を強くし、情報が伝播しやすいように、コミュニケーションがとりやすいように、オマージュやネタを散りばめる。*4
だから、まぁ一人でじっくりストーリや設定を吟味する、古参のオタクには評価が悪かったりするんじゃないかな?とかなんとか。
あと、オタクの大衆化が相等進んだ事も関係あると思う、もう一般人と大差なんて殆どないんじゃないかい?*5


こうした動きはオタクだけの話ではなく、音楽はじめ*6様々なコンテンツ産業で進んでいる事なんだろうけど、高度消費社会で情報化社会である現在のニホンで生活する者の宿命というか当然の帰結なんだろうな。

*1:そもそもニコニコ動画自体がネタを肴に皆と同調したりコミュニケーションする場所だしね

*2:それのさらに元ネタがあるけど、そっちは割愛

*3:調理っつーかMADや同人とかブログのネタとか

*4:そういや〜一昔前は色んなアニメに林原めぐみが出まくっていたけど、最近は若本規夫が色んなアニメに出まくってるのね。これもネタ重視の風潮故か?

*5:または一般人がオタク的になっているとか・・

*6:http://d.hatena.ne.jp/rmxtori/20071230/p1