前向きに行きたいものだぁね。

上の世代の責任

http://d.hatena.ne.jp/terasuy/20060528/p1

僕が何故あれほどオタクの在り方について拘っていたかというと、岡田氏が泣いた事によって自分の持つオタク像というものを否定された気がしたからです。実際否定されているのだと思いますが。

私の主張は上の世代の方々とかぶる部分がありますが、上の世代を全肯定するつもりはない、というか〜むしろ不満の方が多いかもしれません。


第三世代と呼ばれるオタク達は「オタク」でも「おたく」でもないかもしれません。
しかしそれは、そうなってしまったのは、自分達第三世代オタクの責任でしょうか?
責任が全くないとは言いません、ですがはっきり言って、第三世代がこうなってしまったのは上の世代の方々に
よるところの方が圧倒的にでかいのではないのでしょうか。


私が物心つき、意識的にアニメや漫画を見出した時に、それらの作品を作っていたのは誰でしょうか?
私が小学校高学年にあがる頃には、俗にいう大月アニメ*1が結構な数放送していましたが、上の世代の方々は何をしていたのでしょうか?
エヴァを散々持てはやして、便乗商品作って金儲けしてたのは、一体だれですかねぇ?
そもそも、『萌え』なんてモノを作り出したのは、上の世代ではないのでしょうか?
私が『萌え』って言葉を知ったのは、中学2〜3年位の時だったでしょうか、高校に入りたての頃はオタク仲間を見つけるために萌えを暗号や合言葉のように使っていましたっけ。*2


つまり、現在のような第三世代オタクを生み出した土壌を作り出したのは、そもそも上の世代であるのに、その事に対する責任も果たさずに、勝手に「オタクは死んだ」とか随分虫の良い話じゃないのかという事です。


大体、「オタクの歴史」の教育がまともにされてないんだから、下と上の世代が断絶し「オタク作法」みたいなものが継承されないのは、当たり前でしょうに。
自分達の世代に引きこもってないで、もっと下の世代とも積極的に交流するべきではなかったのではないでしょうか。

オタキングも泣く位なら、責任取ってオタク歴史の再編纂とかすれば良いのに・・。


ではどうするか?

http://d.hatena.ne.jp/terasuy/20060528/p1

ユーザーが増えればそれだけクリエイターを目指す人も将来的には増えるでしょう。それらのクリエイターが全て金に目を眩ませてコマーシャリズムの波に乗るとは限らないと思います。大衆化一般化する事による弊害は確かにあると思いますが、それ以上のリターンがこの先10年20年もしたらあるとは思えませんか?

市場が潤うという事は、それだけその世界に夢を馳せる人が増えるという事です。例えばですがスポーツ技術の発展はマイナースポーツとメジャースポーツのそれでは、発展スピードが何倍も違ってきます。コマーシャリズムによる一時的な(かどうかはわからないけど)オタク文化の消費文化化に目を向ける事も大切だと思いますが、大衆化一般化したその後の発展に夢を抱くのは安易すぎる発想なのでしょうか?

http://srysrysry.blogzine.jp/meniutsuru/2005/02/part_.html

Waterr:まあ要するにいかに「宣伝するか」だからね。同じ作品があった時に、メジャーとマイナーの違いは宣伝費を使えるか使えないかだからね。クオリティ自体はそんなに変わらないから。あ、でも音楽の場合は機材の問題があるけど・・・。でもそこまで細かい音の質を云々している人って実はそんなに居なくて、インタビューとかを全部ひっくるめて宣伝費で、媒体露出度が高くなる。自動的に目にはいる宣伝には頼らずに音楽を自分で見つけていこうという人はそんなに多くないからさ。で、最終的な問題はさっきナインが言ったように「多くの人に知って欲しい」という欲求が資本をバックにつけるという仕方でなければ実現できないという点なんだよ。

ナイン:これぞ日本。

Waterr:これはザッツジャパンだよ(笑)。他の国でなぜそういう問題が起きないかというと、草の根のネットワークが強力なものがあるからなんだよ。

キール:ああ〜。

Waterr:だから必ずしもメジャー発想にならない。「多くの人に聴いて欲しい」というのがメジャーと直結しない。で、実際メジャーにならなくても音楽で食っていける。これ日本じゃ考えられないじゃん。日本では要するに二足のワラジを履くか、つまり仕事しながら趣味でやるか、あるいはメジャーに行くか、その二つしか選択肢がない。それをいかに壊すかというのが、俺なんかにとってはここ10年くらいの課題。


この手の問題はオタクカルチャーだけの問題ではなく、音楽や服とかも似たような道をたどってきました。
いわば日本のカルチャーが抱える共通の問題ともいえます。
私自身は多様性が維持されるのなら、メジャー化しようが一般に広がりすぎてオタクが死語になろうが、構わないと思っています。
ってか、「オタク」という言葉に拘り過ぎるのは、よろしくありませんよね。
新しい言葉を作るという選択肢もあって良いと思います。

http://srysrysry.blogzine.jp/meniutsuru/2005/02/post.html

ナイン:やっぱりさ、俺たちにとって課題になってくるのは、「Part 2」の最後で話したような、「おたく」や「パンク」といったそれまで使われていた言葉をどう違う言葉に置き換えていけるかだと思うんだ。今の若い世代が自分に充足していられるのも、あまりにも豊かだからという理由がある訳でしょ? 他のジャンルの人たちと関わらざるを得ないような状況になったら、「いや、私はこうだから」とだけ言ってもいられない状況になると思うんだけど、今のあまりの豊かさは、その必要性を無くさせているんだと思う。

Waterr:それはあるな。サークルで閉じちゃってるから、自分のやっていることを他人に説明したり弁解する必要がないからね。

ナイン:そうなんだよ。それが、このどうしようもない閉塞感の原因だと俺は思っている。

かつての音楽や服のように、ただメジャー化し資本に飲み込まれ、ただの消費だけなってしまったら、歴史が継承されず世代で断絶し、言葉が通じなくなって横の繋がりも断ち切れて、皆バラバラになりタコ壷化していくでしょう。
私はソレを乗り越えていく為には、昔ながらのオタクもそうでないオタクも共に存在できる、そういう場やネットワークを作る事が問題解決の近道ではないかと考えています。
そして気軽にリンクし交流し、フレキシブルさを維持していけば、お互いに刺激され影響しあい、簡単には閉塞しないでしょう。
その為には、「SFは1000冊読まないと一人前ではない」みたいな壁を作るべきではありません。
変化を恐れず受容していき、なおかつ多様性を維持する。
コレを両立させる事は難しいでしょうが、これだけ情報化が進み、人も物も流動化している今の日本において閉塞もせず、消費にも飲み込まれないようにする為には、避けては通れない道ではないでしょうか。


新しい言葉を作り、多様性を維持できる場とネットワークを作る事が、もしかしたら第三世代のオタクや若者に与えられた課題なのかもしれません。
まぁ、問題なのはそれをいかに作るかなんですけどね(苦笑
今のご時世はネットが有りますから、多少はやりやすいでしょうけど・・。


消費者?

http://d.hatena.ne.jp/terasuy/20060528/p1

無責任な発言になりますが、僕はいつになっても消費者です。クリエイターになろうと考えた時期もありましたが、進むべき道は既に作られています。

あれだけオタクやオタクカルチャーに対して考え発言してる時点で、消費者どころか立派に参加者だと思いますよ。

*1:スレイヤーズとかラムネ&40とか天地無用とか動物化のはしりになったとか言われる作品群

*2:「萌え」って言葉知ってる?っと聞いて、「知ってる」と答えたら「同士よ!!」みたいな