東京ナショナリズム
この都知事選の石原候補圧勝が示すものは、富める東京、ひとり勝ちの東京に住む都民は、その東京都と地方の格差が拡大しているという現実にあまり興味がなく、石原都政8年の流れを継続してよしと承知したことになる。
残念であるが、浅野氏がマニフェストで「東京都政を転換することにより……いきいきとした日本を蘇らせます」とした東京と地方の「格差是正」のメッセージは否定ではないが、少なくても否認されたのである。私はここに東京人の「東京ナショナリズム」(東京エゴ)の影を見るのである。
http://www.janjan.jp/election/0704/0704093385/1.php
「東京ナショナリズム」かぁ、確かにそれは感じる。
あれをナショナリズムと言って良いのかわからんけど、東京の人の地方への無関心っぷりは結構あると思う。
地方出身者がかなり多いはずなのだけれど、あまり地方の事に気にかける人はいないし、正直な話、自分自身も東京に一時期住んでいた時機もあるのだけど、確かに地方や自分の故郷の事とかは殆ど関心がなかった。
人も金も物も文化も揃った「東京」にいると地方や故郷の事なんてどうでも良くなってくるのである。ありとあらゆる物が揃い満たされ、多種多様な人がいるから、他県に行く必要も、考える必要も殆どなってくるし、故郷に帰ることすら煩わしく感じていた。
実際は多くの物を他県や日本の外に依存していたり、東京の繁栄は地方の状況と密接に関係しているだけれど、そうした事にはかなり無自覚だったし、ゆえに、久しぶりに自分の実家に帰ってきたとき、自分の故郷の荒廃ぶりに愕然としたっけか・・。
地方出身の私がこんなものだから、東京生まれの東京育ちの人はもちろん、地方出身者であっても故郷の事に関心が無い人間が多いのもうなずける。
地方では、次々と商店街が潰れたりして荒廃していくなか、下北沢では再開発計画に反対した運動が巻き起こるなんて、そのいい例だろう。*1
東京は経済的には、かなりグローバルではあるけれど、それ以外の面では、かなりローカルに閉じているのかもしれない。何かムーブメントが起きたとしても、マスコミと企業によって広域に喧伝されない限りは、地方には波及せず東京内部で完結して終わる事が多い。*2
だから浅野史郎のマニフェストによる「格差是正」よりも、石原慎太郎の「東京でオリンピックを!」「東京を!」「東京を!」っていう東京というローカルを強く意識したメッセージに強く反応し、支持をしたのじゃないかな?特に年配の方には東京オリンピックなんて復興と反映の象徴だしね。