表層化するコミュニケーションと「キモイ」


http://d.hatena.ne.jp/Marumameko/20061221/p1

私は「嫌い」とまでは言いませんが、使われると困りますねぇ。
何故、困るのかと言えば「キモイ」の使われ方が余りにも広いから。
元々は、「気持ち悪い」が短くなって軽い感じにしたものが「キモイ」って奴なんだろうけど、ご承知のとおり「気持ち悪い」という意味以外でも、拒絶や否定においても広く使われ、場合によっては肯定としても使われたりもします。「えぇ、肯定で使うの!?」と思われるでしょうが、使うんですよ。特に10代の女の子とか。
全ての10代の子がそうではないのですが、私の知り合いの10代の女の子は「キモイ」を良く言う子でした。
お前は「キモイ」以外の言葉を知らないのか?と思うほど、なんでもかんでも「キモイ」と言うので、一度「余りキモイって言うなよ、失礼だぞ」と言ったのです。
そしたら返ってきた答えが「え〜褒める時にも使うじゃん、なんで失礼なの?そんな事言うキール、キモイよぅ」です。
それまで、私は「キモイ」は否定としての意味位の言葉としてしか認識してなかったのですが、どうやら彼女達は肯定としても使うようで、「変わっていて面白い」や「個性的」とか、そんな様な意味で褒める時も「キモイ」と使うらしく、ちなみに「そんな事言うキール、キモイよぅ」の「キモイ」は「そんな事いうのはおかしくない?」って意味で使ったとか・・・。
歳の差は5つしか違いませんが、もうジェネレーションギャップを感じましたわ(苦笑
若者と老人で、言葉の使い方や意味が違う事は往々にして有りますが、もしかしたら10代と20代の間でも、そうした意味や使い方が違う言葉が結構あるのかもしれませんね。

キモイを使いこなす為には空気を読もう

では、どうやって彼等は肯定的な「キモイ」と否定的な「キモイ」を見究めているかというと、顔の表情や回りのノリのや雰囲気、口調、キモイと呼ばれてる対象の状況から、見究めるとか。
要は「空気読め」って奴ですね。
「空気読め」は「空気読め」ですけどかなり高度な「空気読め」で、そこまでせにゃならないとは、10代の子達は大変ですな。
そこで思ったのですが、10代の子達はこのように〜かなり高度な「空気読めコミュニケーション」に晒されております。
携帯やネットによって簡単に人と出会い繋がれるようになった反面、対人関係の流動化によって深く知り合い話し合う事よりも、その場のノリを持たせ空気を乱さない表層的なコミュニケーションを求められるようになりました。
そして、そうした環境下で意味の狭い言葉を使うと、周りの子との意見の違いが表面化してしまう、つまり空気や場を乱す事になってしまう、だから何とでもとれる広域な意味を「キモイ」に与え、それを使っているのではないのでしょうか?
「カワイイ」や「萌え」も似たような物ですが、それ以上に「中身の意味」を有耶無耶にして「空気読めコミュニケーション」に適応させた言葉が10代の子達の「キモイ」なのかもしれません。